"知らなきゃ損" ブログ

2025.11.05

とある井戸端会議④

 知らなきゃ損 No 39


とある井戸端会議編④


介護の始まり



ある秋の日

近所の喫茶店(hmc-cafe)

いつもの3人

優子さん、潤子さん、恵さんが集まってます

ねぇ…ちょっと聞いてよ…」
いつものカフェで、優子さんがカップを持つ手を震わせながら話し始めました。

「お母さん、転んでしまってね。昨日から急に介護が必要になっちゃって…。
私、何をどうしたらいいのか全然わからなくて…」

その言葉に、潤子さんが大きくうなずきます。
「わかるよ…うちも来年どうなるか分からないし、正直こわい。」

そんな2人に、恵さんが静かにコーヒーを置いて言いました。

「実はね、介護って——気持ちの準備より先に、
“お金と手続き”の準備 が大事になる瞬間があるのよ。」

そこから、3人の“井戸端会議”が始まりました。


本人の銀行口座・通帳はどこか


優子さん:「実は…通帳もカードもどこにあるのか分からなくて。」

恵さん:「そこが最初のつまずきポイントなの。
暗証番号も本人しか知らないと、必要なときに生活費が引き出せないのよ。」

・通帳、キャッシュカードの保管場所
・ネットバンキングのID/パスワード
・定期預金や証券口座の有無

これらを“今のうちに”把握するのが第一歩。


年金がどこから入ってくるのか


年金って、一つじゃない人も多いのよ」と恵さん。

公的年金、厚生年金、企業年金…
どこから・いくら・いつ入金されているのかを知ると、
介護にどれくらいお金が使えるのかイメージが湧くわよ


健康保険証と保険の内容をチェック


「入院や通院が増えると、医療費も一気に上がるのよ。」
恵さんがメモを取りながら説明します。

・限度額適用認定証
・高額療養費制度
・民間保険の給付条件


これを知らないと“本当は払わなくてよかったお金”を払ってしまうことも。

優子さん:「こんなの、ぜんぜん知らなかった…」


介護が始まったら まず手続き


恵さん:「介護サービスを使うには、まず介護認定からよ。」

地域包括支援センターに連絡
・ケアマネージャーが介護の味方に
・要支援・要介護のどれに当たるのか判断

「これをしないと、介護保険が使えないのよ。」


医療費を抑えるための手続き


・限度額適用認定証
・医療費通知の確認

「申請しておけば、窓口での支払いがグッと軽くなるの。」


代理で動けるように代理人を決める


「これが意外と大事なのよ」と恵さん。

本人が入院すると、
口座のお金を家族でも勝手に引き出せない問題が発生します。

判断能力があるうちに——
・銀行の任意代理人
・口座の名義確認
が大切。


医療、介護の希望を家族と共有(人生会議)


「延命治療、どうする?」
「入院したら誰にまず電話する?」
「施設か自宅か、本人はどう考えてる?」

ここで役立つのが——
繋ぐノート(情報の一元化)

家族全員が“本人の意思”を知っているだけで、
介護のストレスは驚くほど減ります。


公的制度の味方


恵さんがノートを広げながら語ります。

  • 高額介護サービス費(一定額を超えた分は戻ってくる)
  • 介護保険の負担割合(1〜3割)
  • 介護休業給付金(家族が仕事を休むときに支給)
  • 施設入所の費用の相場
  • 医療と介護の境目で起きやすいトラブル

「制度ってね——
知ってる家族だけが助かるのよ。

優子さんは何度もうなずきます。



繋ぐノートの活用


恵さん:「結局ね、必要な情報が一つに集まってると、家族は本当に助かるの。」

記入すべきポイントはこんな感じ:

  • かかりつけ医・薬・既往歴
  • 緊急連絡先(1本目に電話すべき人)
  • 銀行口座と保険の情報
  • 延命治療の希望
  • 本人の思い・メッセージ


潤子さん:「これ1冊あるだけで、家族の会議がずっと楽になるね…」

恵さん:「そう。介護は家族の共同作業だからこそ、情報の準備が大事なのよ。」


優子さん:「こんなにやることがあるなんて知らなかった…
でも、今日聞けて本当に気がラクになった。」

潤子さん:「私も家に帰ったら、お母さんと話してみよう。
早めに動けば、こんなに違うんだね。」

恵さん:「介護は突然始まるけど——
準備は早いほど家族を守るものよ。
まずは“繋ぐノート”で今日から整理しておきましょう。」

ゆっくりしたカフェの午後に、
3人の未来への準備がそっと始まりました。



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